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「わろてんか」松坂桃李演じるダメ夫は、朝ドラの文化の一つ!

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「わろてんか」松坂桃李演じるダメ夫は、朝ドラの文化の一つ!

■藤吉は一つのことに盲目的なダメ夫

“人生には笑いが必要だ!”のキャッチーコピーで、笑いをビジネスにした日本初の女性と言われるヒロインの奮闘を描いた朝ドラ「わろてんか」(NHK総合ほか)。幼少期に出会った松坂桃李演じる芸人の藤吉に恋をして以来、姑に反対されても、藤吉の実家の米問屋が潰れても、なかなか結婚できなくても、葵わかな演じる主人公の“てん”は天性の明るさで窮地を突破。藤吉が突発的に寄席をやりたいと言い出しても、決して反対することなく、彼の背中を支えてきた。そして、11月20日からの第8週。ようやく姑・啄子(鈴木京香)の許しを得て、結婚することができた二人だが、第9週でも藤吉のダメっぷりが炸裂!
 かつては恋のライバル的雰囲気も漂わせていたが、現在は活動写真の輸入で成功し、藤吉の頼れる存在となった青年実業家・栞(高橋一生)の話に感化され、寄席をもう一軒増やそうと動き出してしまうのである。一軒目の風鳥亭でさえ、なんとか軌道に乗り始めてきたところで、いまだ芸人の元締めである寺ギン(兵動大樹)に売り上げの6割を持って行かれている状態だというのに、だ。見ているこっちもやきもきして、「藤吉、ちゃんとして!」とテレビに言いたくなってしまう。

■父親になっても、やっぱりダメ!

 これまでにも藤吉の“やらかし”は多々あった。まず、出会いからして追われる身だったし、その後、全国からてんに送っていたのは嘘八百の手紙だった。そして、てんを連れて実家に戻ってからは、一発当てようと不良品のパーマネント機を大量に購入して米問屋を廃業に追いやり、芸人長屋へ引っ越したと思ったら、今度は昔馴染みの娘義太夫・リリコ(広瀬アリス)と浮気を疑われるような行動を起こす。さらに、今度は息子の端午の節句をそっちのけで、寄席を増やすことに無我夢中。やっぱりツッコミどころしかない。

■脈々と受け継がれる朝ドラの“ダメ夫”

 寄席の経営が安定し始め、ようやく席主らしくなったなと思うと瞬く間に逆戻り!しかし、朝ドラとは、“ダメ夫”の宝庫なのである。
 近年では、「べっぴんさん」(‘16年)の紀夫(永山絢斗)は口下手でキアリスの社長となるまでは頼りなくドキドキさせたし、「あさが来た」(’15年)のあほぼん・新次郎(玉木宏)は三味線の美人師匠宅に夜な夜な通い、これにはあさ(波瑠)もびっくりぽん。「ごちそうさん」(’13年)の悠太郎(東出昌大)は大阪で再開した昔の恋人と密会し、め以子(杏)をやきもきさせた。
 ただ、だからこそヒロインである女性たちの肝っ玉の大きさや奮闘が際立ち、展開が面白くなるのである。そう思うと、“ダメ夫”たちの“やらかし”も何やらありがたく思えてくる。

 今後も、藤吉はいろいろやらかしてくれそうだ。「女のかんにん袋」というタイトルだった第9週でのてんは「藤吉のあほー」とかわいく叫んでいたが、第10週以降も新たな寄席を手に入れた藤吉がまたも暴走する予感。楽しみだ。

 12月4日(月)からの第10週には、’07年の朝ドラ「ちりとてちん」で落語家の尊建を演じた浪岡一喜が落語会の風雲児役・月の井団吾役で出演。さらに、’16年のNHK時代劇「ちかえもん」で義太夫を演じた北村有起哉も、団吾の先輩格の落語家役で登場してくる。キモとなる寄席のシーンが面白くなりそうなので、そこも期待したい。

文/及川静

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