コラム

才能が渋滞している小汚いおじさん

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オフィス北野所属のお笑い芸人なのに、最近はネタ番組よりもドラマや映画によく出て、放送中の「銀と金」でもいい味を出している薄い頭の変わったおじさん。彼こそ事務所の先輩、浅草キッド水道橋博士を“才能が渋滞している”や“オフィス北野の最終兵器”と言わしめるマキタスポーツである。彼は「音楽ネタ」を得意としている芸人であるが、トークも面白く、ラジオのパーソナリティーを務め、文才もあるので雑誌の連載も持っている。ちなみに、カップ麺の「どん兵衛」を通常の5分ではなく、10分にするとさらに美味しくなるという話題の「10分どん兵衛」を広めたのも彼がラジオで発信したことである。そんな才能豊かな小汚いおじさんがなぜ急にブレイクしたのか。遅れてきた天才・マキタスポーツを紹介します。

■音楽を使ったネタで知られる存在ではあった。

実家が「マキタスポーツ」というスポーツ店で、屋号を芸名にして28歳でデビュー。クオリティの高いものまねや「もし Mr. Children がトイレという歌を歌ったら」のような有名アーティストになりきり歌うパロディソングのネタで一部のお笑いフリークには知られる存在であった。さらに、2012年『中居正広の金曜日のスマたちへ』では音楽研究家として過去30年間のヒット曲を分析し編み出した「ヒット曲の法則」を発表し反響を呼んだ。さらに、その法則に則って作られた『十年目のプロポーズ』はスマッシュヒットを記録した。しかし人間観察や本質をうまく突いたネタで高い評価は受けていたものの、ブレイクするまでに至らなかったのである。

■人間観察などが生きた演技

お笑いのネタには定評のあった彼ではあるがブレイクしたきっかけは映画である。原作が芥川賞受賞の「苦役列車」で主人公の先輩を熱演。演技力が評価され、ブルーリボン賞新人賞を獲得し、そこから映画やドラマのオファーが届くようになった。ドラマでは「花子とアン」や「ルーズヴェルト・ゲーム」、「HERO」。映画では「アイアムアヒーロー」、「闇金ウシジマくん」などの話題作にも出演している。
なぜ、どこにでもいるハゲた頭のおじさんなのにオファーが止まらないのか。それは人間観察や本質をつくという彼の持ち味が演技にも出ているのだと思われる。どんな役を演じても、一辺倒な芝居ではなく、人間観察などからヒントを得た、一人一人違う個性のある演技で見ている人に受け入れられている。そしてもう一つの彼の演技は、表情ではなく、話し方や佇まいなどで味を出してくれる役者でもある。だからこそ俳優・マキタスポーツにオファーが来るのだと思われる。

■コア層に今も支持を受ける

俳優としてブレイクした彼だが、売れた後もかつてのファンを大切にしている。現在はTBSラジオで放送されている「東京ポッド許可局」では攻めた内容と面白いトークでニッチな層の心も掴んでいる。先述した「10分どん兵衛」はまさに、このラジオで発信され、ニッチな層からバズり始め広まった。俳優ではマスから支持され、ラジオやトークではマスから支持されるマキタスポーツ。小汚いおじさんという普遍的な存在になったことで、渋滞していた才能が交通整理され花開いた。今後も役者にトークに芸人に活躍してくれると思われる。

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