コラム

“巻き込まれる天才”濱田岳、今度はデリヘルの店長に!?

  • twitterTwitter
    でシェア
  • twitterFacebook
    でシェア
  • LINEで送るLINE
    でシェア

“巻き込まれる天才”濱田岳、今度はデリヘルの店長に!?

子役時代から数多くの作品に出演し、多方面で引っ張りだこの俳優・濱田岳。着実にキャリアを積み重ね、国民的映画『釣りバカ日誌』の連続ドラマ版「釣りバカ日誌 ~新入社員 浜崎伝助~」(テレビ東京/2015年)では主役となった。類い稀なる演技力を発揮し、「違和感がない」と視聴者からも好評に。「コンフィデンスアワード・ドラマ賞」の主演男優賞に輝いている。

彼の出演作品を見直してみると、周囲の人物や出来事に“巻き込まれる”役が多いようだ。2019年1月11日スタートのテレビ東京「フルーツ宅配便」(金曜深夜0時12分~)では、ある出来事をきっかけに、普通の会社員からデリヘルの店長に転身している。

今回は濱田の出演作品を振り返りつつ、“巻き込まれたとき”に見せる彼の魅力的な演技について考察してみたい。

■連日36度の灼熱地獄に巻き込まれながら熱演

濱田にとって初のドラマ主演作となったのが日本テレビ「ピースボート -Piece Vote-」(2011年)。主人公の脇谷秀は、身に覚えのない容疑で犯罪者扱いされ、大海原を進む貨物船に拉致されてしまう。つまり第一話から思いきり巻き込まれているのだ。

この脇谷という人物は、著名な実業家を兄にもつ平凡な大学生。常に兄と比べられながら“脇役”の人生を送ってきた。そんな彼が作中では船内で命を賭けたゲームに巻き込まれ、兄の死の真相を追い求めることになる。

思わず画面に引き込まれてしまうのは、脇谷が即死の危機に陥る第2話。目は泳ぎ、手を震わせる濱田の芝居が大変細かく、思わず凝視してしまう。自らの罪を告白する場面では、動揺の中に後悔の念をのぞかせる繊細な表情を見せており、二転三転するストーリーとともに最後まで目が離せなかった。物語のクライマックスに向けて、主人公の成長を見事に表現していることにも注目していただきたい。

本作品はほぼ1シチュエーションで舞台のように展開しているが、撮影場所の倉庫は連日36度を超えていたとのこと。彼の“熱演”が見られることも、本作品ならではの魅力といえるだろう。

■六本木で「セックスの教室」へ連行される

「ドラマはいつも終電の後にありました」がキャッチフレーズのTBS「終電バイバイ」(2013)でも、濱田は主演を務め、毎回終電を逃したあとで、さまざまな出来事に巻き込まれている。

1話完結のオムニバス形式のため、巻き込まれる内容はさまざま。ファンだったアイドルに偶然会って家まで送り届けたり、ゾウを劇場内に入れる作業を手伝ったりと、毎回思いっきり振り回されている。そんなシチュエーションの数々を、ありのまま日常の出来事として感じさせてくれるのは、濱田が醸し出すほんわかした雰囲気があってこそだろう。

放送回ごとに監督や脚本家が変わり、全く視点の異なる物語が展開されることも本作品の特徴。中でも強烈なインパクトを放っているのが第6話だ。六本木で終電を逃した彼は、BARで一緒に飲んでいた謎の男(谷中敦)に、“セックスの教室”とよばれるマンションへ連れていかれてしまう。

そこから予想の斜め上を行くような展開が訪れるが、それはぜひ本編で確認してほしい。ただ一つだけいえるのは、彼の初々しさ溢れる必死の演技を見ることができ、濃厚な絡みに笑いが止まらないということ。間の取り方や戸惑いのリアクションが絶妙で、地上波のコメディにも十分対応できることを証明した作品だといえるだろう。

本作品は“世界の新しい捉え方を知ることができる”といえるほどの深いテーマも提示しているので、ぜひ仕事帰りに深夜の時間帯に見ていただきたい。

■普通の会社員からデリヘル店長に転身

来年放送される「フルーツ宅配便」は、デリヘルの世界を描いた異色作。濱田が演じるのは勤め先の会社が倒産したことで、東京から故郷の地方都市に戻ってきた主人公・咲田真一だ。ひょんなことからデリヘルの店長になってしまう物語の展開は、やはり巻き込まれ型といえるだろう。

セクシーなシーンが多そうな題材だが、原作には女性ファンも多く「あまりエロくありませんが、ちょっと苦くて味わい深い作品になると思います」と、番組プロデューサーが公式ページで語っている。

主演の濱田も「人間が持つ、『欲』と『弱さ』が織りなす人情劇になっていると思います」とコメント。デリヘル嬢たちのディープな過去に触れながら、そこからどうやって生きて行くのかという社会派のテーマが含まれており、その中で彼がどんな物語に巻き込まれて行くのか気になるところだ。

原作者の鈴木良雄氏は濱田について、「シリアスもコミカルも自然に演じられる数少ない俳優さんであると思います」と絶賛。確かに過去の作品を振り返ってみても、地に足のついた素朴な演技に定評があるため、コメディとシリアスのどちらにも転ぶことができることはいうまでもない。

どんな状況に追い込まれても、決して自分を見失わずに“普通”の人間を違和感なく演じ続ける濱田岳。決してブレない芯の強さをもっているからこそ、作品のテーマを邪魔することなく、各方面で人気を集めているのではないだろうか。これからどんな“大事件”に巻き込まれるのか楽しみだ。

(文/平原健士(iPPON COMPANY GROUP)@H14)

関連記事