TV番組情報をコラムとしてお届け!dmenuTV

コラム

石原さとみ、沢尻エリカ、波瑠まで…女性が活躍する編集者ドラマの魅力とは?

  • twitterTwitter
    でシェア
  • twitterFacebook
    でシェア
  • LINEで送るLINE
    でシェア

石原さとみ、沢尻エリカ、波瑠まで…女性が活躍する編集者ドラマの魅力とは?

7月から日本テレビでドラマ「サバイバル・ウェディング」(土曜22:00~)がスタートします。これは“半年以内に結婚すること”を条件に、雑誌編集部で働くことになった女性の奮闘を描いた物語。波瑠が主人公のさやかを演じます。

雑誌編集部を舞台にしたドラマは昔から数多く存在しますが、特に最近は女性編集者の活躍を描いた作品が注目を集めています。さまざまな困難に直面しつつも、仕事に前向きに取り組む女性の成長が描かれているのが、全ドラマに共通するところ。雑誌編集部のもつ独特の華やかさも、多くの視聴者を惹きつけているようです。

今回はそんな雑誌編集部を舞台にしたドラマを振り返り、その魅力を探っていきたいと思います。

■ファッション誌の編集を夢見る校閲者を石原さとみが好演

近年、注目を集めた編集者ドラマといえば「地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子」(2016年)でしょう。石原さとみが演じた主人公・河野悦子は、ファッション誌『Lassy』で働くことが夢。『Lassy』が好きすぎて、過去にどんな特集があったのかなど、編集部員よりも熟知していました。

校閲部で認められれば『Lassy』への移動が叶うかもと考えた悦子は、当初は、一見地味な校閲の仕事に対してどことなく劣等感を感じている様子でした。しかし、持ち前のひたむきさで仕事に取り組むことで、次第に校閲という仕事にやりがいを見出していきます。

華やかに飾られた『Lassy』編集部に対して、校閲部の部屋は暗くて地味。そこで働く人々も、きれいに着飾った『Lassy』に対して地味な服装をしており、何かと両極端に描いていたのは少々ステレオタイプな気もしましたが……。それだけファッション雑誌の編集部というのは、女性が憧れる華やかな職場ということなのでしょう。

一方で、地味な仕事として描かれていた校閲ですが、文字の間違いを正したり、記述の矛盾点を指摘したりと、雑誌や書籍の制作には大変重要な仕事です。悦子の仕事ぶりを通して、その部分もしっかりと描かれており、校閲の地位向上(?)に一役買ったのではないでしょうか。内容の矛盾点が気になって、現地調査に行ってしまったりするのは、やりすぎな気もしましたが……。

■ファッション雑誌編集部は愛憎渦巻く女性たちの戦場!?

ファッション雑誌を舞台にしたドラマというと、「ファースト・クラス」(2014年)も話題を集めました。沢尻エリカが演じる主人公ちなみは、ひょんなことからファッション雑誌「FIRST CLASS」編集部で働くことに。しかし、そこは愛憎渦巻く女性たちの“戦場”。ちなみは、いじめや足の引っ張り合いなど、さまざまな困難に直面しながらも、編集長へと昇り詰めていきます。菜々緒演じるレミ絵の悪女ぶりも話題をよびました。

というわけで、このドラマはあくもでも格付けしあい、足を引っ張りあう女性たちの“マウンティング”を描くことに主眼がおかれ、主人公が仕事を通じて成長する姿を描くお仕事ドラマとは一線を画していました。

作中では自身の企画を盗用されたちなみが、編集長(板谷由夏)に「こんな足の引っ張り合いばかりで、本当に良い雑誌が作れるんですか!」と訴えます。それに対して、彼女は「盗用されたからどうだっていうの? 特に斬新な企画でもなかったから、そのうち誰かが出したわ。たかが身内の戦いに勝ち残れない人が、この業界で勝ち残れる雑誌が作れるわけないでしょ?」と言い放つのでした。

トップがそんな考え方ではもはや無秩序……。ただ、実際の雑誌編集は時間に追われる厳しい仕事です。同僚の足など引っ張っているヒマはありませんので、誤解なきよう。

■「とと姉ちゃん」は女性編集の先駆者の一代記

NHK連続テレビ小説「とと姉ちゃん」(2016年)は、実在の人物をモチーフに、女性雑誌編集者の先駆となったヒロインの半生を描きました。

10歳で父を亡くした常子(高畑充希)は、幼い妹たちの父親代わりになることを決意。出版社の事務として働きだしたことで、雑誌の編集に関わるようになります。そして、戦争が終わると、苦しい生活を続ける女性たちのための雑誌を作ろうと思い立ち、雑誌『あなたの暮し』を発行するというのが物語のあらすじでした。

印象的だったのは、編集長を務めた花山(唐沢寿明)と、経営方針を巡ってもめる場面。常子は、厳しい経営を打開するために、雑誌に広告を掲載することを決めますが、花山は「雑誌の自由が失われる」と大反対。これは、実は多くの雑誌にもついてまわる“あるある”的な出来事で、多くの編集者は、広告主に配慮しなくてはならず、苦々しい思いをした経験があるはずです。

その一方、経営を考えれば広告収入は捨て置きならないもの。ドラマでは結局、広告掲載を取りやめてしまいましたが、経営者としては大英断だったことでしょう。「地味にスゴイ! 校閲ガール・河野悦子」や「ファースト・クラス」では、雑誌編集の華やかな部分にスポットが当てられていましたが、こんなシビアな現実もあるのです。

校閲の仕事に焦点を当てたり、現実離れした愛憎渦巻く世界として描かれたり、雑誌と広告の関係にも踏み込んだり……。それぞれのドラマで描き方は違いましたが、共通しているのは、困難を直面しつつも、仕事に前向きに取り組む女性の成長が描かれている点でしょう。

企画内容やページ構成など、編集者それぞれの裁量が大きく、自分の力量で仕事の内容が決められる部分が多々ある雑誌編集という仕事は、ヒロインの仕事に取り組む姿勢と個性を描きやすいのかもしれませんね。雑誌編集部、特にファッション誌のもつ独特の華やかさもドラマ向きで、多くの視聴者を惹きつけているようです。

「サバイバル・ウェディング」では、寿退社するもののフィアンセの浮気でまさかの破談となり、無職になった主人公さやかが、人気雑誌のカリスマ編集長(伊勢谷友介)に拾われます。しかし、この再就職には条件があり、それは「半年以内に結婚しないとクビ! 編集長の言うとおりに婚活し、その過程を雑誌で連載する」というものでした。

さやかは編集長直伝の恋愛テクニックを駆使して、婚活に奮闘します。果たして、無事、結婚できるのでしょうか? また、カリスマ編集長が仕切る編集部は、どのように描かれているのか? そちらにも注目したいと思います。

(文/地江仲慶太@H14)

関連記事