コラム

腐女子、ホスト通い、整形…「ねほりんぱほりん」が女性の欲望をディープに深掘り!

  • twitterTwitter
    でシェア
  • twitterFacebook
    でシェア
  • LINEで送るLINE
    でシェア

腐女子、ホスト通い、整形…「ねほりんぱほりん」が女性の欲望をディープに深掘り!

昨年10月にシーズン2がスタートした、NHK Eテレのトーク番組「ねほりんぱほりん」。ネットで“まさかの復活”と騒がれた今期も、「少年院に入っていた人」「ネトゲ廃人」などディープなテーマを連発し、エッジの効いた内容で楽しませてくれました。

特に、今年に入ってからの放送では「腐女子」(ふじょし)、「ホストに貢ぐ女」、アンコール放送の「整形する女」、「ハイスペ婚の女」などと、女性たちの知られざる妄想と欲望が赤裸々に語られることが多かったように思います。そんな、番組に登場したゲストたちの姿を、根掘り葉掘り掘り下げられた本音とともに紹介します。

■上司のBLを妄想すると、邪険にされても許せる

「ねほりんぱほりん」は、番組MCで聞き手の山里亮太(南海キャンディーズ)とYOUがモグラに、顔出しNGの“訳ありゲスト”がブタのパペットに変身し、人形越しだから語れる本音を掘りまくるトーク番組。2018年の放送は「腐女子」(1月10日放送)のテーマで幕開けとなりました。

腐女子とは、ボーイズラブ(BL)などとよばれる男性同士の恋愛を描く漫画・小説を愛する女性たちのこと。ゲストのイズミさんは、番組で腐女子の魅力を熱く語り、数々の名言を生み出しました。

「女をログアウトさせる」
「現実の世界で求められる女性らしさ(かわいい、おしゃれ、社交的)から自分を切り離して、自由に恋愛の妄想を楽しめる」
「テレビの恋愛ドラマは、モテない自分を突きつけられてツラい」
「私は壁になりたい」(男性の恋の成り行きを、ただ見守る存在になりたいという意)

男を見るとつい“攻め”と“受け”を考えてしまうという腐女子たち。その妄想は日常生活にまで広がることがあるとか。番組では以下のような、妄想たくましい腐女子たちが紹介されました。

・「あぶない刑事」などの刑事ドラマに勝手にBLを妄想する人
・部屋の「天井」と「床」の関係に見つめ合うプラトニックな恋愛を想像する人
・「駅」と「駅に乗り入れる電車」にBL妄想し、多数の本数が行き交う「東京駅」を「淫乱駅」とよぶ人

イズミさんも「会社でイヤな上司に小言をいわれた時、その上司(受け)が10年来片想いをしている相手(攻め)に邪険にされているBLを妄想すると、許す気持ちが芽生える」と、意外な効能を披露しています。たくましい妄想力で、生きづらい日常を自由に読み替える腐女子たちに、山里は「むちゃくちゃ高尚な遊び方」、YOUは「クリエイティブだよね」と驚いていました。

■月に平均400万円、貢いだ額だけ姫になれる

続く2月の「ホストに貢ぐ女」は“内容が濃すぎる”ということで、「前編」(2月7日)「後編」(2月14日)の2週連続放送となりました。ゲストで登場したホストクラブ歴4年のミズキさん(仮名、20代)は、トータル1億円以上を1人のホストに貢いだといいます。

ホストクラブでは来店2回目に指名したホストを“担当ホスト”(担当)とよび、それ以後は指名変更ができないのが原則です。担当は客を“姫”として扱い、関係が深まることで担当を自分のテーブルだけにつかせたい独占欲や、恋愛に似た感情が生まれます。なお、1人のホストが担当する女性客のうち、ひと月にもっとも多額の金を使う女性は“エース”とよばれるとか。

ミズキさんはエースになるために、月に平均400万円をホストに貢ぎました。風俗業をかけもちし、ときには過労で入院したこともあったようです。そんな、担当ホストとエースの関係について、ミズキさんはこんな話をしています。

「担当は使ったお金の順にテーブルにつくから、女性たちはみんなエースを目指している」
「エースになると、圧倒的に大事にされている感がある」
「1回エースになると、単発エースじゃだめなんです。『来月も私ががんばって支えよう、担当に(売り上げが減ったと)恥をかかせるわけにはいかない』と、プレッシャーや責任を感じる」
「貢ぐのをやめたら、担当との関係が終わるかもしれないと思うと、怖くなる」

「虚しくなることはない?」という山里の問いかけに「(売り上げが)もう少しでナンバーワンになれるんだと担当に頼られると、『私を頼ってくれた』とうれしくなる。私以外で500万、600万と用意できる女の子が他に何人いるの? いないでしょって。私ががんばる理由をくれるから、やめられない」とミズキさん。

1人の担当をめぐり、女性同士のプライドを賭けた戦いがあり、それを勝ち抜いて金を使えば使っただけ女性として大事にされ、承認されている感覚を味わうことができる。それがホストクラブの魔力なのかもしれません。「今後はどうします?」と聞かれたミズキさんは、「ホスト通いは、やめないかな」と明るく答えていました。

■根掘り葉掘り、掘っても尽きない人間の業

シーズン1からの再放送「整形する女」(2月21日)では、中学3年で二重まぶたの手術を受け、大学生の現在まで10カ所以上の整形を行ったエリカさん(仮名)が登場。

「中学時代は、自分の顔を見られたくなくて、教室でずっとマスクをつけていました」
「かわいくなれれば、好きな人に振られても、次がある、大丈夫って思えるし、自信がほしいんです」

と話しています。しかし、一方で「自分の顔が気になって(整形に)切りがなくなる」とも。

また、「ハイスペ婚の女」の放送(2月28日)では、東大卒で年収1,000万以上の男性をゲットすべく、高校時代から男性ウケの戦略を磨いてきたナナコさん(仮名、30代)が登場。見事条件を満たす男性と結婚を果たしたものの、その後に待っていた灰色の結婚生活を語っていました。

世の女性たちがディープな欲望とどう向き合っているかを、なかなか語られることのない本音とともに紹介した「ねほりんぱほりん」。次のシーズンがあれば、ぜひまた深堀りを期待したいところです。

(文/岸田キチロー)

関連記事