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小説を題材に異端のハードロックを展開!「命売ります」で注目を集める人間椅子とは?

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小説を題材に異端のハードロックを展開!「命売ります」で注目を集める人間椅子とは?

1月13日から放送をスタートしたBSジャパン「命売ります」。隠れた怪作として昨今改めて注目を集めている三島由紀夫の同名小説を、中村蒼の主演でドラマ化しました。

このドラマでは大杉漣や大地真央など、毎回、豪華な俳優陣が客演します。さらに、美輪明宏がナレーションを手掛け、舞踏家・田中泯がオープニングでダンスを披露。三島文学を映像化するにあたり、個性豊かな面々が力を貸しているのです。その中でも、特に個性的な存在感を放っているのが、主題歌を手掛けた人間椅子ではないでしょうか。

■文学をモチーフに独特の世界観を築く

人間椅子は今年でデビューから29年目。禍々しいハードロックサウンドに乗せて文学性の高い歌詞を歌い続けてきた、異端のハードロックバンドです。ドラマの主題歌を手がけるのはこれが初めてですが、過去にもテレビや映像の世界に関わってきました。

人間椅子の存在を一躍有名にしたのが、1989年に出演した音楽番組「三宅裕司のいかすバンド天国」です。これは、いわばアマチュアバンドのコンテスト番組で、Jitterin' JinnやBEGIN、たま、BLANKEY JET CITYなどを輩出しています。

人間椅子はこの番組で、江戸川乱歩の小説をモチーフにした「陰獣」などを演奏。高い演奏力と独特の歌詞世界、そして鈴木がねずみ男に扮するなどの奇抜なルックスも相まって高い評価を獲得しています。これにより、彼らはメジャーデビューへの道を切り開きました。

文学をモチーフする独特の世界観と、往年のブリティッシュ・ハード・ロックに根ざしたサウンド。これらはデビュー当初から一貫しており、そのぶれない姿勢がここ数年で改めて評価され、映像作品とのコラボレートも増えました。

■近未来忍者アニメや妖怪ラブコメディードラマに音楽を提供

2015年には、ブラッドレー・ボンドとフィリップ・ニンジャ・モーゼズの小説をアニメ化した「ニンジャスレイヤー フロムアニメイション」に第20話のエンディングテーマとして「泥の雨」を提供。近未来都市でのニンジャの戦いを描いたこの作品とは、ある意味ミスマッチなヘヴィなサウンドの曲ですが、それが逆に鮮烈な印象を残しました。

ちなみにこのアニメは、各話ごとにエンディングテーマが異なり(配信版とテレビ版でも異なる)、Boris、ELECTRIC EEL SHOCK、ギターウルフ、the pillowsなど、ワールドワイドな活動を展開するバンドが多く起用されて、話題を集めています。

さらに、同年には見た目は女子高生ですが、実は雪女というヒロインの恋愛模様を描いた青春ラブコメディードラマ「JKは雪女」の劇中音楽も担当しています。ヒロインが雪女=妖怪で、人間と妖怪の関わりを描くという点で、人間椅子の世界観と通じるドラマでした。劇中ではファンにはおなじみの禍々しくヘヴィなリフや、メロディアスで甘美なフレーズが続々と登場し、作品の妖怪度(?)を高めています。また、劇中では、メンバー3人を思わせる人物が見切れる演出もあり、ファンを狂喜させました。

また、人間椅子“の”映像作品という意味では、4月に映像集『おどろ曼荼羅~ミュージックビデオ集~』(徳間ジャパン)の発売が決定しています。昨年発表した「虚無の声」ではプロジェクションマッピングを使った斬新な映像を作り上げるなど、毎回、趣向を凝らしたミュージックビデオを製作しているので、こちらも一見の価値ありです。

■三島由紀夫原作ドラマ「命売ります」を人間椅子の音楽が彩る

人間椅子初のドラマ主題歌「命売ります」は、“焦燥感”を表現したという高速ビートで突き進む前半から一転、ガラリとリズムを変えて“捨て鉢感”を表現したというキャッチーなサビを持つサウンド。命の意味を問う歌詞が一体となったこの曲は、まさに人間椅子の真骨頂といえるでしょう。昭和のアングラな雰囲気をたたえた、このドラマにぴったりハマっています! オープニングでは人間椅子の曲に合わせて、舞踏家の田中泯がダンスを披露。さらに昭和のアングラ感に拍車をかけており、傑出の出来となっています。

物語はエリートとして不自由のない生活を送っていた青年・羽仁男が、突如として生きることが嫌になり、自殺を試みるも失敗。ひょんなことから自分の命を売るビジネスを始めると、次々と奇妙な依頼が舞い込んでくるというもの。羽仁男は死を望んでいますが、なかなかうまく死ぬことができません。

果たして、彼は究極の目的を達成することができるのでしょうか? それとも、命の尊さに気づくのでしょうか? 人間椅子の音楽に彩られた物語の行方に注目です。

(文/竹内伸一@H14)

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