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Eテレに続け!? NHK総合で若者にウケるドラマ増加中?

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Eテレに続け!? NHK総合で若者にウケるドラマ増加中?

俳優の香川照之が、自らの昆虫マニアぶりを発揮した「香川照之の昆虫すごいぜ!」や、ブタのぬいぐるみに扮した訳ありゲストの赤裸々なインタビューが話題の「ねほりんぱほりん」など、近年Eテレで放送される番組が注目を集めている。

一方で、今じわじわと話題を呼んでいるのが総合テレビのドラマ枠だ。若者の「テレビ離れ」「ドラマ離れ」がささやかれる中、SNSなどを中心に静かに話題を呼ぶ総合テレビのドラマに注目してみよう。

■ネット社会の闇に斬り込んだ「フェイクニュース」


今年総合テレビのドラマで注目を集めた作品の一つが、10月に放送された北川景子主演の「フェイクニュース」だ。

本作は「逃げるは恥だが役に立つ」(2016年・TBS系)や「アンナチュラル」(2018年・同)などを手掛けた野木亜紀子が脚本を担当。ニュースサイトの記者を演じる北川が、食品の青虫混入騒動の取材をきっかけに、ネットメディアによるフェイクニュースの騒動、そして騒動を影で操る企業間の争いに巻き込まれていくストーリーだ。

誰でも簡単に情報を発信できるSNSだからこそ、気になるニュースが目に入れば、情報源を確認せずに気軽に反応して、無責任に拡散にも加担してしまう。そしてその無邪気な行為が、誰かの人生を台無しにしてしまう危険につながることが克明に描かれ、視聴者からは「考えさせられる」「耳が痛い」といったコメントが相次いだ。

作品そのものに賛否両論はあったものの、デジタルネイティブ世代からの注目を集めることに成功していたと言っていいだろう。

■志尊淳、岡田将生の熱演も話題になった金曜連ドラ枠「ドラマ10」


また今年1月期に放送された、志尊淳主演の「女子的生活」では、複雑なテーマにフォーカスを当て話題となった。

本作で志尊が演じたのは、性別は男性、心は女性だが、恋愛対象は女性というトランスジェンダーの主人公。ロングヘアのウィッグをかぶりメイクを施した志尊の美しさに、放送開始直後からネットニュースなどでも反響が起きた。

マイノリティーの性を扱った作品というと、従来であれば、マイノリティーの生きづらさや当人の葛藤に焦点が当てられることが多かったように思う。しかし本作で等身大の“女子“を熱演した志尊の姿は、痛快かつ型破り。自分という人間を肯定していて、むしろマジョリティー側の人間のアイデンティティーを揺さぶることさえしてみせる点が、視聴者には新鮮に映ったようだ。

視聴者の感想を見ていると、中には「勇気をもらった」という言葉を残す人も。時には「お手本になる人もいない」「分からないことしかない」と不安に苛まれながら、それでも強い意思で壁に立ち向かい、キラキラと楽しい女子ライフを送る主人公。そんな姿が、自分の存在や居場所について悩みを抱える若者の共感を呼んでいたようだ。

また、「女子的生活」が放送されていた総合テレビ「ドラマ10」枠で、年内最後に放送されたのは、岡田将生主演の「昭和元禄落語心中」。アニメ化もされた人気コミックの実写化とあって、こちらは初回放送中からTwitterのトレンド1位を独走して話題に。

一人の落語家の青年期から晩年までを熱演した岡田だが、特に最終回で見せた、死を目前にした老人としての真に迫る演技には絶賛の声が続出した。

また番組と連動して、さまざまな企画でTwitterユーザーのファンを盛り上げた公式アカウントの存在が、ドラマのSNS人気に拍車をかけたのかもしれない。

■2019年は特撮オタク女子と、まさかのゾンビネタ!?


このように、SNSを中心に静かに話題を集める総合テレビのドラマ作品。2019年1月からの「ドラマ10」枠では、隠れ特撮オタクである主人公のOLを小芝風花が演じる「トクサツガガガ」がスタートする。本作では周囲にオタクだとばれることを恐れ、こっそりオタク生活を楽しむ彼女の日常が描かれるという。

昨今、俗にいう“2.5次元俳優”が一部の若い女性層を中心に絶大な支持を受けていて、俳優をきっかけに特撮作品そのもののファンになる女性も多いそう。そのため特撮を題材に扱ったこの作品も、放送前からネットでひそかに注目されているようだ。

さらに、地方都市で大量発生したゾンビにアラサー女子たちが立ち向かう、日本では珍しいゾンビドラマ「ゾンビが来たから人生見つめ直した件」も放送を控えている。総合ドラマから目を離せない状況は、これからも続きそうだ。

今回紹介した2019年スタートのNHK総合新ドラマは、2作ともにタイトルのインパクトは十分。後は2018年の話題作と同様、いやそれ以上に、両作品とも若者視聴者の心に刺さるストーリー展開に期待したいところだ。

(文/相場龍児)

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