コラム

「First Love」から「初恋」まで…宇多田ヒカル×恋愛ドラマの歴史

  • twitterTwitter
    でシェア
  • twitterFacebook
    でシェア
  • LINEで送るLINE
    でシェア

「First Love」から「初恋」まで…宇多田ヒカル×恋愛ドラマの歴史

今年2018年にデビュー20周年を迎える歌手の宇多田ヒカルの新曲「初恋」が、4月17日に放送を開始したドラマ「花のち晴れ~花男 Next Season~」(TBS系)内で解禁となり、大きな反響を呼んでいる。宇多田が「花より男子」シリーズのイメージソングを書き下ろしたのは、「花より男子2(リターンズ)」(TBS系・2007年)のイメージソング「Flavor Of Life -Ballad Version-」以来、11年ぶり2度目だ。

■「初恋」の曲作りにあたって

昔から原作者・神尾葉子のファンだった宇多田は、曲作りの前に「花のち晴れ」の原作漫画を読んだという。 宇多田は「年齢・性別を問わず誰もが社会や他者と関わる中で感じるであろう、環境に順応しようとしながらも頭と心に生じる摩擦や、自分の本質と向き合う登場人物たちの姿に、今の私にもグッとくる場面が多かったです。私の音楽の主題と重なる部分もあり、自然と楽曲制作を始めていました」とコメント。
ドラマのイメージに寄り添うだけでなく、宇多田自身の人生や音楽性というフィルターを通して作品の本質に迫るからこそ、楽曲とドラマの結びつきが特別なものとなるのかもしれない。

■「魔女の条件」「ラスト・フレンズ」…名作ドラマを彩った主題歌の数々

「初恋」というタイトルは、宇多田の3rdシングル「First Love」を想起させる。同曲は松嶋菜々子滝沢秀明主演のドラマ「魔女の条件」(TBS系・1999年)の主題歌で、同曲が収録されたアルバム「First Love」は、全世界で991万枚以上の出荷を記録した。
SNSでは、「『First Love』が20年の時を経て『初恋』となって戻ってきたよう」という声も。15歳の宇多田が「First Love」で描いた苦く美しい初恋の終わりとは対照的に、「初恋」では恋の始まりの狂おしい胸の高鳴りが描かれている。

また宇多田が手掛けた主題歌は、ドラマの世界観や時代性を映し出すだけでなく、聴く人の思い出と深く結びついているようだ。
SNSには「ラスト・フレンズ」(フジテレビ系・2008年)の主題歌「Prisoner Of Love」について「10年たった今でも聴くとドラマのことを思い出す」「当時の自分の切ない思い出が蘇る」、また2017年夏放送の「ごめん、愛してる」(TBS系)の「Forevermore」についても、「この曲を聴くと夏を連想する」「主人公の律(長瀬智也)が頭に浮かぶ」といった声が上がっている。

■ 楽曲の根底に流れる「切なさ」

なぜ宇多田の曲は恋愛ドラマにこれほど“はまる”のだろうか。
以前、井上陽水は「SONGSスペシャル 宇多田ヒカル」(NHK・2016年)で「(彼女の)切なさがやっぱり多くの日本人をひきつけるのかな」と語った。それに対し宇多田は「どの面においてもアウトサイダー。だからこそ書けるものがあるんじゃないかな」と自己分析。この彼女が表現する孤独や疎外感こそが、ドラマにおける恋の輝きを際立たせているのだろう。

今後もアルバム「初恋」のリリース(2018年6月27日発売)や12年ぶりのツアーなど話題が目白押しで、ドラマファン、宇多田ファンともに目が離せない日々が続きそうだ。

(文/室井二胡)

関連記事