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質的評価抜群!~ディーン・フジオカ『モンクリ』の実力~

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質的評価抜群!~ディーン・フジオカ『モンクリ』の実力~

いよいよ最終回を迎える『モンテ・クリスト伯~華麗なる復讐~』。
ここまでの平均視聴率は6.1%と振るわなかった。ただしデータニュース社「テレビウォッチャー」が調べる満足度と次回見たい指数は抜群で、視聴率2位・質的評価1位の『ブラックペン』と中盤以降は互角となっている。3話から始まった復讐劇の華麗さと、絡む関係者の心理描写が巧みで、多くの視聴者の心を捉えたようだ。

■質量評価の推移

『モンクリ』と『ブラペア』の視聴率を比べると、大差がついている。
『モンクリ』 5.1→ 5.7→ 7.1→ 6.5→ 5.3→ 6.0→ 5.9→ 7.4%
『ブラペア』13.7→12.4→12.1→13.1→13.4→13.0→13.0→16.6%

ところが満足度(5段階評価)では、様子がかなり異なる。
『モンクリ』3.44→3.78→3.75→3.83→3.87→3.96→3.97→4.06
『ブラペア』3.82→3.84→3.89→3.97→3.92→3.82→3.93→4.25

「絶対見る」「なるべく見る」「見るかも知れない」「たぶん見ない」「絶対見ない」を点数化した次回見たい指数も、満足度と同じ傾向となった。
『モンクリ』103→145→141→151→152→158→156→164
『ブラペア』130→136→143→155→146→153→150→170

序盤の躓きで視聴率こそ最後まで大差がついている。ところが質的評価では、華麗なる復讐が始まった3~4話あたりから両ドラマは拮抗しており、5~7話では『モンクリ』が上回ることもある。内容的には極めて優れたドラマに仕上がっていたことがわかる。
■華麗なる復讐劇

やはり視聴者が面白いと感ずるのは、“華麗なる復讐劇”だった。
3~4話では、証拠をでっち上げた警視庁刑事部長の入間公平(高橋克典)の元愛人で、暖を裏切った神楽(新井浩文)の妻・留美(稲森いずみ)がターゲット。入間との間に生まれ、遺棄したと思っていた子供・安堂(葉山奨之)と留美は、暖により近親相姦の関係に誘導されてしまった。

5話では、入間の妻・瑛理奈(山口紗弥加)に、暖は毒殺を犯させる。
瑛理奈は入間の元妻に手を掛け、後妻におさまった女。「清濁併せ呑んで生きてきた人間は、必ず自分の中に悪魔を抱え込むことになる。私は、あの呪われた家(入間家)に住む悪魔を、目覚めさせただけだ」と暖は言ってのけるが、この冷徹なやり方に視聴者の評価は急上昇した。

6話で暖は、二人が実の親子であることを留美に教える。
肉体関係を持ってしまったことで悲嘆に暮れると思いきや、留美は逆に嬉しそうな反応を見せる。そして安堂を守ると決意した留美は、安堂と一緒に寺角(渋川清彦)を殺し遺棄する。暖の母を孤独死に追い込んだ男だ。

復讐は7話で遂に、暖を警察に通報した南条(大倉忠義)に向かった。
香港時代に可愛がってもらった大スターのショーン・リー殺害の手助けをした過去を利用して、暖は南条を追い込む。暖のフィアンセだったすみれ(山本美月)にも、南条の裏切りを教え、南条とすみれ夫妻は破綻した。
しかも最後に遺書を南条に書かせたのは、目の前で父ショーン・リーと母を殺された娘・エデルヴァ(桜井ユキ)。全ては暖のシナリオ通りだった。

そして満足度も見たい指数も急上昇した第8話。
首つり自殺をしたはずの南条は、一命を取り留めていた。憎んでいたはずのエデルヴァが、最後に助けたからだ。
入院した南条の毒殺を、すみれも図るが最後の一線を越えられずにいた。
また暖が大切にしていた守尾信一郎(高杉真宙)は、入間の娘・未蘭(岸井ゆきの)と付き合っていたことがわかり、しかも暖は未蘭が瑛理奈に狙われていることを知り、信一郎に危急のための小瓶を持たせた。
瑛理奈の思惑通り、未蘭は毒を口にして倒れてしまった。小瓶を思い出した信一郎がそれを飲ませると、一瞬回復したが、次の瞬間に意識を失う。暖が持たせた薬とは、いったい何なのか。
何がどうなったのか良くわからないまま、視聴者は最終回へと投げ出された格好だ。

■最終回を楽しむための鍵

暖の復讐劇が首尾よく果たされるか否かが最終回の最大の眼目である。
ただしドラマでは、暖の想定を超える部分も多々あり、そこが裏テーマとして意味を持ちそうだ。

例えば6話で、安堂が我が子と知った留美の反応。「あんなうれしそうな顔をするとはな。母親というのは偉大だな」と暖はつぶやいている。
7話では、エデルヴァは憎いはずの南条の命を助けてしまい、暖の激怒をかった。
そして8話では、暖との中を引き裂いた南条の薬殺を、すみれは踏みとどまってしまった。
いずれも母子の情愛が介在している。憎悪を愛情が上回っているようにも見える。
もう1点、未蘭と真一郎の関係は、『ロミオとジュリエット』と似た展開を見せている。毒殺を巡る物語だが、単純な毒殺にはなっていない。

復讐劇の決着と、登場人物たちの心の綾がどう決着するか。最終回は稀に見る傑作になる予感がある。

文・次世代メディア研究所http://jisedai-media.main.jp/

『モンテ・クリスト伯』フジテレビ 最終回は毎週木曜よる9時~
https://www.fujitv.co.jp/MONTE-CRISTO/


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