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視聴率はイマイチだが質的評価は抜群な『シグナル』

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視聴率はイマイチだが質的評価は抜群な『シグナル』

無線機を介して“過去”と“現在”の刑事が難事件に挑む『シグナル 長期未解決事件捜査班』。
いよいよ最終回を迎えるが、視聴者の評価が不思議な状況となっている。視聴率は低迷したままだが、視聴した人の満足度や次回見たい指数は極端に高いのである。

近年、こうしたドラマが増えている。大衆受けするものとドラマ通に受けるものと、二極分化が進んでいるのかも知れない。その典型としての同ドラマを分析してみた。

■量的評価と質的評価の乖離

今クールGP帯(夜7~11時)に放送される民放ドラマの中では、テレビ朝日『特捜9』『未解決の女』『警視庁・捜査一課長』と、TBS『ブラックペアン』が視聴率二桁で好調だ。
ところが『モンテ・クリスト伯』『崖っぷちホテル!』『シグナル』は、視聴率が6~7%台と低迷しているが、満足度など質的評価が高い。

特に『シグナル』は、初回の視聴率9.7%はまずまずだったが、6話まで右肩下がりとなり5.7%まで下落してしまった。9話までの平均7.6%は下位グループに沈んでいる。

一方データニュース社「テレビウォッチャー」が調べる満足度は、初回から3.75とドラマの平均より高く始まり、中盤以降で3.8~3.9台を出すようになっていた。8話までの平均3.81は全体の3位と、内容に対して極めて高い評価を得ている。

「テレビウォッチャー」が調べる次回見たい指数はさらに高い。
「絶対見る」「なるべく見る」「見るかも知れない」「たぶん見ない」「絶対見ない」の5段階で評価してもらったものを指数化したものだが、120が平均以上、140を超えるものは極端に吸引力の強いドラマと言えよう。
『シグナル』は初回から8話までが133→137→140→155→141→146→153→156。平均145は『ブラックペアン』をかわして全体のトップ。7~8話と150台を連打しているあたり、クライマックスへ向け視聴者の関心が頂点に達し始めていることがわかる。

■クライマックスへ

主人公・健人(坂口健太郎)と無線でつながる過去に生きる刑事・大山(北村一輝)は、1999年の武蔵野市集団暴行事件に関わり岩田係長(甲本雅裕)に殺されていた。集団暴行事件では、賢人の兄・加藤亮太(神尾楓珠)が主犯として逮捕されていた。そして岩田係長も殺害された。すべての黒幕は、管理官・中本(渡部篤郎)だった。

事件の被害者・井口奈々(映美くらら)から、健人は兄の冤罪を知った。そこで兄の自殺に疑念を抱いた健人は、岩田の死の直前の足取りを追う。すると亮太の死が他殺だという証拠にたどり着き、事件の裏で糸を引いていた黒幕の正体にも気付く。

何としても亮太を助けたい健人は、大山の身に危険がおよぶことを覚悟のうえで、過去を変えるため、美咲(吉瀬美智子)の前で無線機を取り出す。当然、美咲は見覚えのある大山の無線機をなぜ健人が持っているのか理解できない。健人はこれまでに起きた不思議な出来事をすべて打ち明け、ぼう然とする美咲の隣で「3月20日、兄は自宅で何者かに殺されます!お願いです、兄を助けてください!」と大山に助けを求める。

2000年、健人と無線で交信する数時間前、大山は少年院を出たばかりの亮太から連絡を受けていた。自らの無実を証明する真犯人の証拠を持っているという。その矢先、健人から亮太の死が他殺だと知らされた大山は、その証拠こそが亮太の命取りになると気付き、急いで亮太の元へ向かう。

一方、大山の身にも危険は確実に迫っていた。過去が変えられると知った以上、健人同様、何とかして大山の死を防ぎたいと考えた美咲は、無線機を使って18年ぶりに大山と言葉を交わす。そして、これまで胸の内に秘めていた思いと、健人が大山にどうしても言えなかった“あること”を伝える。

ついに大山(北村一輝)殺害の全真相が明らかになる。
ただし健人の身にも危険が迫る。
さらに大山に命のタイムリミットが迫る中、美咲の止まった時間も動き出す。
謎の無線がつないだ2人の刑事は、果たして過去を変え、未来を救うことができるのか。

次回見たい指数上昇中の同ドラマ。クライマックスへの期待は高まるばかりだ。

文:次世代メディア研究所 http://jisedai-media.main.jp/

『シグナル 長期未解決事件捜査班』関西テレビ 毎週火曜よる9時~
https://www.ktv.jp/signal/index.html

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