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『99.9』『アンナチュラル』とは別で少し『HERO』な『正義のセ』

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『99.9』『アンナチュラル』とは別で少し『HERO』な『正義のセ』

吉高由里子が2年目の新米検事に挑む『正義のセ』。
喜怒哀楽を抑えきれず、検事としてはダメ出しをされることばかりだ。それでも不器用ながらもまっすぐな正義感は誰よりも強く、情熱を持って仕事をしている。
初回視聴率は11.0%。日テレ水曜10時は、前作『anone』が平均6.2%と低迷しただけに、順調なスタートを切った。

■魅力的な俳優陣

好調を支える一つが、魅力的な俳優陣だ。
凛々子(吉高由里子)とタックを組む事務官・相原勉役は安田顕。
大泉洋『水曜どうでしょう』に準レギュラーで出演したことで全国的に知名度を上げ、近年は数々のドラマで持ち味を発揮している。役柄によって顔つき・姿勢など異なる存在感を出し、“ザ・役者”の風格がある。加えて演技に暖かみもあるのが、人気の理由だろう。

地検の支部長・梅宮譲役は、ドラマの定番俳優・寺脇康文。安定感のある演技がドラマ全体のアンカー役として安心して見ていられる。
同支部の先輩検事官・大塚仁志役は三浦翔平。港南支部のエースで、仕事の早さと冷静さは凛々子と正反対。一見凛々子に厳しいが、次第に変わって行くであろう二人の関係性も注目だ。

実家の竹村豆腐店では、生粋の江戸っ子の父を生瀬勝久、明るく前向きおおらかな母を宮崎美子、恋愛や仕事のことなどに何かと相談にのる仲良しの妹を広瀬アリスが好演している。

■初回で見えたテイスト

第1話では、石黒賢がパワハラと傷害で告発される役だ。被害者で告発する役は浅利陽介。
容疑を全面的に否認する石黒。浅利の同僚も石黒と口裏を合わせている。具体的な証拠もなく、起訴は困難に見えた。

壁にぶつかった凛々子に対し、支部長の梅宮は「日本の刑事裁判で有罪率が99.9%なのは、我々検察が証拠を厳密に精査しているから」とアドバイスする。“罰すべき者を罰し、罰すべきでない人を罰しない”という姿勢は、前クール『99.9』に出てきた検察像と少し異なる。現場を正しく検証せずにストーリーを作り、それに乗って裁判官が判断するから、冤罪など間違った判決がたくさん出るとした方向とドラマを行こうとしているようだ。

また凛々子は1日時間をもらい事件の証拠を捜しに出向く。ところが担当した病院の医師には、グラスを投げつけられたり、殴られたりして出来た傷を「証明するのは難しい」と断られてしまう。前クールの『アンナチュラル』では、解剖医が科学の力で次々に事実を暴いて行ったが、残念ながら現実はそう簡単ではない。同ドラマはここでも別の路線を選んでいる。直近の人気ドラマを引っ掛けるあたり、小技がワサビのようにピリッと効いている。

そして凛々子の行き当たりばったりで、空振りが多い証拠探しは、結局のところ最後の最後に証拠をつかむ。
諦めない姿勢の勝利だが、凛々子に否定的だった大塚も強力な援軍となる。時間限定ではあるものの、現場を精査する検察の姿勢は、ちょっぴり木村拓哉の『HERO』路線だ。しかも凛々子と大塚の関係が変化しそうな雰囲気も、“『HERO』普通の女の子版”に見える。
カッコ良い“正義のヒーロー”とまでは行かないものの、“正義のセ”としたゆえんのようだ。

■第2話の見どころ

凜々子は3ヵ月ぶりに優希(大野拓朗)とのデートをしていた。
ところが支部から「日直の仕事を変わってほしい」との連絡が入り、久しぶりのデータはお預けになってしまった。
そして凜々子は梅宮支部長(寺脇康文)から初めて殺人事件を任され、大張り切り。ただし相原(安田顕)は、張り切り過ぎると空回りする凜々子を心配し、「常に冷静に落ち着いて」と釘を刺す。
殺人事件の被疑者は、夫の義之(大澄賢也)を殴って死亡させた主婦・町田かれん(財前直見)。「夫の暴力から身を守るためだった」と殺意を否認するかれんの話を聞き、思わず同情する凜々子だったが、相原は、かれんに疑いを抱く。
その後、かれんが夫以外の男性と頻繁に会っていたという情報がもたらされる。さらに司法解剖によって新事実も明らかになり、殺意があった疑いが強まっていく。凜々子は供述の矛盾をかれんに突き付け、自白に追い込もうとするが……。

過去のヒット作と少しずつ差別化し、面白そうな部分を少しずつ取り込んで展開する『正義のセ』。
そして最近のドラマにありがちな、エキセントリック過ぎない主人公という設定が、より多くの視聴者を引き付け、順調に船出している。
しかもコメディタッチでありながら、“正義”という強いテーマで視聴者の心もガッチリつかんでいる。最近は第2話以降で失速するドラマが多いが、同ドラマは今後のブレークも期待できそうだ。
凛々子がどう成長していくのか、吉高由里子のファッションにも注目しながら、検事としての成長を楽しみにしたい。

文・次世代メディア研究所http://jisedai-media.main.jp/

『正義のセ』日本テレビ 毎週水曜よる10時~

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