コラム

『FINAL CUT』が遂に栗山千明にも牙をむく!

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『FINAL CUT』が遂に栗山千明にも牙をむく!

ある女児殺害事件で母を犯人扱いされ、亡くした過去を持つ男・中村慶介(亀梨和也)。
12年後の現在、事件の真犯人を探し出し、母を追い詰めた者たちへの復讐に動いていた。その手段が、相手の決定的瞬間を映像に収め、脅して言いなりにさせるというもの。12年前に母がされたことと同じ手法である。
どんな映像をどう編集して、相手を如何に叩きのめすのか、痛快感が売りのドラマとして始まった。ところが回が進むにつれ、“FINAL CUT”という映像が、如何に暴力的な存在かを我々に悟らせるように出来ている。
一見派手な復讐劇と見えた同ドラマは、意外に奥が深い。

■“FINAL CUT”の数々

初回では、母を死に追いやった番組のプロデューサー・井出P(杉本哲太)に“FINAL CUT”が突き付けられた。名プロデューサーの表と裏の落差を、隠し撮りで暴くものだった。「上に弱く下に強い」「目的のためなら手段を択ばず」など、ジャーナリズムを逸脱した実態が露呈した。

第2話では、スクープのためなら手段を択ばない真崎D(水野美紀)がやり玉にあがった。契約Dゆえの立場の弱さもあるが、それが事実をねつ造してでもスクープをものにしようと振り切れてしまう姿は致命的だった。

第3話は、追加取材の中でこれまでの認識が事実と異なることを知った小池D(林遣都)の、スクープか良心かで揺れる部分を扱った。迷いに迷った挙句に、結局弱さを露呈させてしまったが、報道現場の落とし穴として身につまされた関係者は少なくなかったはずだ。

第4話のターゲットは、カメラマンの皆川(やついいちろう)。カメラは時に凶器となり得るが、子供をとことん追い詰める姿は常軌を逸していた。取材する側とされる側の強者・弱者関係に思いを巡らせた視聴者が多かったはずだ。

■変化する“FINAL CUT”

第5話あたりから、“FINAL CUT”の受け止められ方、意味合いなどに変化が生じ始める。
この回のターゲットは番組の司会で、リポートの方針を決定していた司令塔役の百々瀬(藤木直人)。弱点を収めた映像を突き付けられたが、鮮やかな巻き返しに出た。映像は事実を定着させたものだが、提示の仕方で表裏は簡単に反転してしまう。我々が事実と思い込んでいる映像の危うさが突き付けれた回だった。

第6話では、復讐すべき相手に突き付ける“FINAL CUT”が出てこない。いや、復讐している慶介(亀梨和也)が、容疑者が車に轢かれる直前に助ける姿が中継され、警察官であることがばれてしまった。慶介にとっての“FINAL CUT”が出てしまったのである。

そして第7話。真犯人の可能性が高い小河原祥太の件をもみ消した現警視庁刑事部長・芳賀恒彦(鶴見辰吾)に“FINAL CUT”が突き付けられる。そこには芳賀の数々の不都合が映っていた。ところが芳賀は、慶介の行為を恐喝と決めつけ、逆にその映像を撮影していたという。
そこに現れたのが慶介の上司の高田(佐々木蔵之介)。万事休すと思われた慶介だったが、高田は「映像は撮れていない」「(慶介と)同意見です。もう一度、小河原祥太を洗い直すべき」と芳賀に反旗を翻した。
ここまで来ると、撮影は“相手を陥れるための手段”という負の側面が強調されるようになる。

■核心へ

小河原祥太を隠蔽した黒幕は芳賀(鶴見辰吾)だった。
また高田(佐々木蔵之介)は、事件の真相を知るため独自に動いていた。その高田の話から、慶介は祥太が事件当夜に現場にいた証拠に気付く。

慶介から12年前の真実を突きつけられた雪子(栗山千明)は、家族と慶介との間で板挟みになり激しく動揺する。慶介もまた、そんな雪子への思いを抑えきれず、2人は関係を深める。
いっぽう妹・若葉(橋本環奈)は、祥太らしき人物とメールでつながった。

さらに百々瀬(藤木直人)は、12年前に取材した事件のVTRを慶介に見せ、祥太探しの協力を持ち掛ける。
そして慶介は、祥太が真犯人だという新たな手がかりを見つけ、雪子を脅すことを決意。愛する女性にも“FINAL CUT”を突きつける事態になっていく。

物語はいよいよ核心に迫る。そんな中、“FINAL CUT”の意味合いはどう変化していくのか。そして慶介と二人の姉妹との関係は、どんな決着が待っているのか。
物語はいよいよ目が離せなくなってきた。

文責:次世代メディア研究所 http://jisedai-media.main.jp/

『FINAL CUT』関西テレビ制作・フジテレビ系列放送 毎週火曜よる9時~
https://www.ktv.jp/finalcut/index.html