TV番組情報をコラムとしてお届け!dmenuTV

コラム

『99.9』『アンナチュラル』『BG』に手応え~18年冬クールドラマの批評・その2~

  • twitterTwitter
    でシェア
  • twitterFacebook
    でシェア
  • LINEで送るLINE
    でシェア

『99.9』『アンナチュラル』『BG』に手応え~18年冬クールドラマの批評・その2~

前稿ではNHK大河ドラマと日テレのドラマを取り上げ、『西郷どん』に期待が持てるという話をした。今回はTBSとテレ朝のドラマについて考察する。

■TBS『99.9-刑事専門弁護士-』

視聴率は初回15.1%、第2話18.0%、3話16.2%、4話16.8%。
16年4月クール連続ドラマのシーズン2。日本の刑事事件の裁判有罪率が99.9%という状況の中、逆転不可能と思われる裁判に挑む弁護士たちの闘いを描く。
主人公・深山役のマツジュンの変人振りは健在。お茶目さと真実への執着を更にパワーアップさせている。元裁判官の新レギュラー木村文乃との関係も面白くなりそうである。メインだけでなくパラリーガルや行きつけの店の人々など脇役に至るまでのキャラクター設定とストーリー・謎解きが見事に融合している。プロレスなどの小ネタやダジャレも笑える。
初回で娘が容疑者の父を信じる理由が、殺人を犯した後にあんなダジャレを言うはずないと思うことだったのは見事である。
2話目は主人公の父の冤罪を晴らす話なので、視聴率が3%もアップした。シーズン1から続く宿敵・奥田瑛二さんとの対決は迫力充分だった。だがいくら変人とはいえ、父の事件でもダジャレを連発し平静でいられる主人公は疑問。木村演出は冴え渡っているが、たまにウルサク感じる時がある。

■TBS『アンナチュラル』

視聴率は初回12.7%、第2話13.1%、3話10.6%、4話11.4%。
死因究明のスペシャリストが集まる「不自然死究明研究所(UDIラボ)」を舞台にした法医学ミステリー。不自然な死(アンナチュラル・デス)の真相解明に奮闘する医師と仲間たちの姿を描く。なるほど「アンナチュラル・デス」で「アンナチュラル」か。視聴率は欲を言えばもっと欲しいだろうが、まずまず堅調。
『逃げ恥』『重版出来』の野木亜紀子脚本、『Nのために』『私結婚できないんじゃなくて、しないんです』の新井順子P・塚原あゆ子Dの女性陣、さらに『ケイゾク』『SPEC』の植田博樹Pが控える。
非常にテンポよく面白い。屍体を題材にするので重くなりがちなのに、やりとりがポップでまさに目指している“アメドラ”のようである。
主演・石原さとみちゃんの表情は豊かだ。これが好感度高くCMでも引っ張りだこの由縁だろう。石原&市川実日子の“ゴジラコンビ”の早口の丁々発止は気持ちいい。窪田正孝くんはいつもながらの“後輩キャラ”だが、やはりはまっている。松重さんと薬師丸さんはベテランの味を醸し出している。井浦新がものわかりのいい先輩でないのが良いが、ややもすると対立のためのキャラにし過ぎか。
初回の“死の真相”は深みがあり、さらにもう一ひねりあり見事。ゲストの山口紗弥加が存在感あった。
2回目ではヒロインのさとみちゃんと窪田君が冷凍車に監禁され水没死させられそうになる、など派手でスリリングだ。

■『BG〜身辺警護人〜』

視聴率は初回15.7%、第2話15.1%、3話13.4%。
キムタクのボディガードもの。『ドクターX』の“X”に続いて今度は“BG”。ゲンを担いだのんだろうが、視聴率は1~2話が15%をクリアしたので及第点だろうが、3話で落ちたので今後どうなるか。キムタク主演ものははずせないので、江口洋介・斎藤工・菜々緒・石田ゆり子・上川隆也と周りも豪華キャスト。
物語はクライマックスのところで、何でクライアントから離れて石田ゆり子演ずる大臣の元へ行ったのか、“プロフェッショナルもの”としては理解に苦しむ。冒頭の工事現場でもマスコミに追われる石田ゆり子の車を通すなど職務に忠実とは思えない。どちらも“プロフェッショナル”より石田ゆり子とのエピソードを優先している。やはり“プロフェッショナル”を追求した結果、女性を助けることになったというのが王道ではないだろうか。実力派・井上由美子脚本にしては大いに疑問。
常広演出はテンポがあって快調。ただマラソンのシーンは人海戦術の「陸王」と較べるとやや寒かった。
知人が「“あの騒動”以来キムタクのスターオーラが薄れた」と言っていた。逆に言えば何を演ってもキムタクではなくなったので、俳優としては良いことなのかもしれないが・・・。

ちなみに、この1月クールは観る前から「これはアカンやろ」という番組も散見された。次の4月クールに期待したい。

文・元プロデューサー・チビ太
監修・次世代メディア研究所 http://jisedai-media.main.jp/


関連記事