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『西郷どん』に期待! ~18年冬クールドラマの批評・その1~

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『西郷どん』に期待! ~18年冬クールドラマの批評・その1~

17年10月クールの連続ドラマでは『相棒』『ドクターX』は別格として、『監獄のお姫さま』『陸王』『刑事ゆがみ』など、「実りの秋」と言ってよいのではないかと書いた。さて、この1月クールはどうだろうか。

■NHK大河ドラマ『西郷どん』
初回15.4%、第2話15.4%、3話14.2%、4話14.8%、5話15.5%。
第1回としては史上ワースト2位の視聴率だったようだが、その後はまずまず堅調に推移している。
上野公園の銅像除幕式で、「あれはうちの旦那さんじゃなか」と3番目の妻(黒木華)が叫ぶというオープニングはすごい。歴史通には知られたエピソードのようだが、初耳の我々はびっくりだ。
林真理子原作×中園ミホ脚本のアネゴコンビで、女性から見た西郷隆盛を描く。初回でも“おなごになったことのない者におなごの気持ちはわからない”と女性視点だ。島津斉彬との師弟関係も、大久保利通とのライバル関係も、男同士とはいえどこか恋愛ドラマの香りがする。
大河ドラマで西郷隆盛をやると聞いて誰が西郷を演ずるのかと思っていたら“ナルホド”の鈴木亮平である。テレビでは朝ドラ『花子とアン』(2014年上期)のオーディションで、脚本の中園さんに出会っている。映画では企画した小栗旬の推薦で、『HK 変態仮面』(2013年)の主役をGetした。やはり出る人は、出るべくして出て来るのだ。
周りのキャストでは西郷の父=風間杜夫、大久保の父=平田満、西郷の母=松坂慶子というのが、完全に『蒲田行進曲』(1982年)のオマージュである。
とにかく骨太で、先が見たくなるドラマだ。江戸城無血開城をめぐる篤姫(北川恵子)と西郷は見どころになるだろう。西郷と大久保の間に割って入る岩倉具視を、鶴瓶さんが演ずるのも楽しみだ。
視聴率がもう一つ伸びないのは、薩摩弁がきつすぎて何を言ってるのかわからないことがあるからではないか。

■日本テレビ『トドメの接吻』 
初回7.4%、第2話6.5%、3話7.1%、4話6.7%、5話
絶体絶命の窮地に陥ると、謎の女(門脇麦)が現れてキスをする。すると7日前にタイムリープしてやり直せる。こうして何度も危機を脱してきたナンバーワンホスト・山﨑賢人の話だ。
視聴率は残念ながら低空飛行。タイトルはなかなかよいと思ったが、内容は結構辛い。まず主人公のホストに共感がいかない。ホストがホテル王のお嬢様を狙うという構図も、わかりやすすぎて手垢がついている。演出も、謎の女をホラーにし過ぎていて豊かさがない。そもそも「タイムリープして人生をやり直せる」というのは、前クールで放送したばかりの同局木曜深夜の『リピート』のコンセプトではないか。
キャスト陣としては、山﨑くんと志尊淳くんが見事イケメンホストになり切っている。演技派・門脇麦ちゃんがホラーのJOKER役だけでは勿体ないと思われる。

■日本テレビ『もみ消して冬〜わが家の問題なかったことに〜』
初回13.3%、第2話11.1%、3話11.1%、4話
医者の長男(小澤征悦)、弁護士の姉(波瑠)、キャリア警察官の次男(山田涼介)のエリート三兄弟が、家族に降りかかる問題を解決するホームコメディドラマ。視聴率はボチボチといったところか。

山田-波瑠-小澤の三兄弟に父は中村梅雀、脇も浅野和之、千葉雄大となかなかの豪華キャストだ。脚本も『プロポーズ大作戦』(2007年春)・『世界一難しい恋』(2016年春)など、コメディに定評のある金子茂樹脚本だけに期待したのだが、コメディとしてあまり笑えないし面白くない。演出が悪いのかもしれない。サスペンス場面で流す火サスの音(ME)も、あまり多用すると白ける。“心の声”のナレーションも多過ぎる。
山田涼介くんは『暗殺教室』(2014年)・『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(2017年)・『鋼の錬金術師』(2017年)と、映画でも主役を担い安定感が出てきた。ところが、この主人公のキャラクター設定は幼過ぎる。兄と姉に翻弄されまくる役割だとしても。
波瑠ちゃんのドSキャラは面白いのだが・・・。

というわけで、18年1月クールのNHKと日テレでは、『西郷どん』が最も期待できる作品と言えそうだ。実際、第5話で初回を超えて来たあたりは、今後の可能性を示す動きと言えよう。

文・元プロデューサー・チビ太
監修・次世代メディア研究所 http://jisedai-media.main.jp/


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