コラム

オクテが恋愛を描いてベストセラーに!~『セブンルール』漫画家・米代恭~

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今話題となっている漫画『あげくの果てのカノン』は、オタクで恋愛には消極的な25歳の漫画家・米代恭(よねしろきょう)の作品。
舞台は異星人が地上を侵略しつつある近未来の地球。異星人の“襲来”で東京都心部は常に“雨”が降るようになった。異星人は不定期に“襲来”している。その影響で都心は廃墟と化し、一部地域の住民は地下生活となった。ただし比較的安全な地域で暮らす住民は地上での生活を続けている。
異星人はその形から「ゼリー」と呼ばれている。一部の人間は怪我をした場合でも、そのゼリーを移植する“修繕”で回復できるようになっている。ただしその技術は不完全で、代わりに「心変わり」と呼ばれる精神変化が起こることがある。食や恋愛などの好みが大きく変化することがあるのだ。

物語の主人公・高月かのんは地上民。パティスリーで働く23歳で、高校時代バスケ部の先輩だった宗介に想いを寄せていたが、既に妻となる初穂と付き合っており振られた。
ところがその宗介は、地球を異星人から守る“ヒーロー”として有名だったが、「心変わり」でかのんに好意を示すようになった。ただし宗介の妻・初穂は「心変わり」を防止する研究をしており、夫・宗介が好意を示し始めたかのんに敵意を抱いている。
そう、物語は複雑骨折をした男女の三角関係のお話で、しかもSFラブ・ストーリーとなっている。芥川賞作家らが賛辞を送り、単行本も増刷を繰り返している異色の漫画なのである。

『セブンルール』今回の主人公は、その『あげくの果てのカノン』の作者・米代恭。
作品は異性人に侵略された近未来の日本で、恋焦がれてきた先輩男性と不倫する女性を主人公にした異色のSF恋愛漫画。ところが衝撃的な恋愛を描きながら、本人は恋愛には全くオクテなのだという。

そんな彼女に密着したカメラは、彼女の創作活動や日常生活をとらえた。
彼女が漫画の執筆場所にしているのは築43年のアパートの一室。その質素な部屋で、考えに詰まると雨にも関わらず、近所中を徘徊する。食事や衣服も極めて質素で、今どきの女子らしさは全く見られない。
小学生の時は友達がいなかったが、絵を描いていると同級生たちが寄ってきた。
高校はオタクが多い学校らしく、友人とオリジナルストーリーを作っては漫画を描くようになっていた。周りの友達から「続きはどうなるの?』と聞かれるのが嬉しかったという。
高校3年生の時に漫画家になりたいと思うようになった。その後、大学受験をして美大に入学した。ところが応募した新人賞で最終選考まで残り、担当編集がつくようになり、大学を辞めて漫画家として歩き出した。

米代恭の漫画かとしての足跡は、2012年にアフタヌーン四季賞佳作を『いつかのあの子』で受賞し、短編デビュー。そしてWebで連載した『ふぞろいの空の下』で長編デビュー。続く2013年に『おとこのことおんなのこ』と改題して単行本を発売。14年にも『僕は犬』を発売。そして15年に『あげくの果てのカノン』の連載を始め、現在もに至っている。
そんな彼女を仕事上でサポートするのが担当編集者の金城小百合さん。『あげくの果てのカノン』も彼女の提案で生まれた作品で、自身の恋愛体験を語ったりして恋愛が苦手な米代にヒントを与えている。お互いに「友達じゃなくて仕事上の付き合い。作品が売れているから仲よくいられる」と認め合う。そんな漫画家と編集者の微妙な関係性にもカメラは迫る。
現実には恋愛にオクテな漫画家が、ハードな恋愛漫画を描ける理由続ける理由とは何なのか。かなり変わった漫画家としての成功を支える「セブンルール」とは何か。いつもにない対象に、『セブンルール』がどう迫るのか興味が尽きない。

文責・次世代メディア研究所

『セブンルール』関西テレビ制作・フジテレビ毎週火曜よる10時~
https://www.ktv.jp/7rules/

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