コラム

じっくり視聴の多い『コウノドリ』~星野源と綾野剛の考え方の間で~

  • twitterTwitter
    でシェア
  • twitterFacebook
    でシェア
  • LINEで送るLINE
    でシェア

news画像

「聖ペルソナ総合医療センター」を舞台に、妊婦および新生児たちの「命」をめぐる様々な出来事を描く『コウノドリ』。
これまで4回の放送は、リアルタイム視聴率11~13%台と、極めて安定してよく見られている。録画再生などのタイムシフト視聴率も、10.2~11.2%とGP帯(夜7~11時)放送のドラマの中では絶えずベスト5に入っている。『奥様は、取り扱い注意』と抜きつ抜かれつのデッドヒートを演じている。

■1~4話の概要

物語は2つの対照的な考え方の中で揺れながら進む。
冷静で現実的に判断する四宮春樹(星野源)と、極力患者の思いに寄り添おうと理想を追う鴻鳥サクラ(綾野剛)のしばしば対立する考え方だ。2人はライバルであり、信頼しあう同期でもある。

各回に登場する妊婦や赤ちゃんのケースは、二律背反的な選択肢を迫られることが多い。
第1話では、耳の聞こえない妊婦の出産がメインだった。障害を持つ両親ゆえに出産育児は難しいのか、それでも子供が欲しいという切実な思いに挑戦すべきか。

第2話は、子宮頸部腺がんと診断された妊婦のケース。がんの進行が早く、まだ完全にお腹の中で育っていない赤ちゃんをどこまで成長させるのか。母親の治療をどこまで遅らせるのか。シビアな決断が迫られる物語だった。

第3話は、障害を持った子を出産したキャリアウーマンの産後鬱。一日でも早く仕事に復帰したいが、保育園が決まらない。「赤ちゃんは自分の邪魔をする存在」とつい思ってしまい、母としても職業人としても失格と自信をなくしてしまう。産後鬱という泥沼の難しさを描いた。

第4話は、帝王切開がメインのテーマ。
第1子を帝王切開で産んだ妊婦は、子育ての難しさから「第2子は絶対に自然分娩」と拘った。ところがトーラック(帝王切開後の自然分娩)はリスクが高く、病院の対応をめぐりサクラと四宮も対立する。納得できる出産とは何か。当事者だけでなく、医療体制の在り方についても、難しい問いが投げかけられた。

■第5話の見どころ

サクラ(綾野剛)の元に診察に訪れた妊娠27週の妊婦、西山瑞希。
診断の結果、切迫早産の可能性があり急遽入院することに。同じく切迫早産で入院している妊婦、七村ひかるの病室に小松(吉田羊)が瑞希を連れてくる。同じ境遇の2人はすぐに意気投合し仲良くなるが、そんな中、瑞希の赤ちゃんに予測できなかった事態が…
いっぽう白川(坂口健太郎)が見ているベビーは、下屋(松岡茉優)が3日前に緊急帝王切開した超低出生体重児の翔太くん。翔太くんは早期に手術の必要があるが、両親は帝王切開になった経緯に納得出来ず、今橋(大森南朋)に手術をしないと告げる。
赤ちゃんと一緒に生活していく家族のため、下屋はある行動を起こす・・・。

第5話でも、当事者が理想と考える出産・育児と、現実との間のギャップに多くの人の心が揺れる。100%完璧な現実はない。それでも出産後に妊婦は、家族として子育てという簡単ではない生活が始まる。
そこにどう向き合っていけば良いのか、今回も考えさせられるテーマとなっている。
同ドラマの録画再生視聴が多いのは、単なるエンターテインメントではなく、じっくり見たいという視聴者が多いからだろう。例えば子供を寝かしつけてから、あるいは家事などを全て終え落ち着ける時間に、集中して見たいという人が多いからだ。
その意味で同ドラマは、リアルタイム視聴率という量的評価もまずまず。加えてタイムシフト視聴という“専念視聴”派の多く取り込む良作といえよう。
我々にどんな難問を突き付け、出産・育児について考え方をどう刺激してくれるのか。今後の展開を楽しみにしたい。

文責・次世代メディア研究所

『コウノドリ』TBS毎週金曜よる10時~
http://www.tbs.co.jp/kounodori/

  • twitterTwitter
    でシェア
  • twitterFacebook
    でシェア
  • LINEで送るLINE
    でシェア
TOP