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プロもあっと驚く新提案!「鍋のシメ」の意外な活用術

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プロもあっと驚く新提案!「鍋のシメ」の意外な活用術

フジテレビでお昼に放送されている『バイキング』。今週は視聴率低迷を挽回すべく、スペシャルゲストを迎え渾身の企画で連日勝負している。
その6日(水)は、料理特集だった。3名のプロの料理人が「家鍋」(自宅で作る鍋)を振る舞い、グルメリポートするという趣向だ。

鍋はそれぞれ、「海鮮しょうが鍋」、「アクアパッツァ風 根菜とり鍋」、「2段味しょうゆもつ鍋」で、どれもとても美味しそうだったが、筆者のイチオシは最後の「シメ」だ。

鍋のシメといえば、普通は「ごはん(雑炊)」、「ラーメン」、「うどん」などだが、3名の有名シェフが出したのは「お餅」、「プリン」、「餃子の皮」。
「お餅」と「餃子の皮」は、季節に合わせたもの、また家に余りやすいものとしてピックアップされており、鍋の残り汁に入れて食べるという点でまだシメとして理解できる。ここで驚いたのは「プリン」、着想はとても斬新だった。

番組を見ていない方のために補足をすると、シメのプリンとは、残り汁に生クリーム、グラニュー糖、バニラビーンズ等を加え、蒸すことで、残り汁そのものをプリンにするという奇抜なアイデアだ。

こんなに手間のかかるシメが「家鍋」として相応しいのか?という別の問題はさておき、このプリンは鍋のシメとしての固定観念を払拭する好事例ではないかと感心した。

そもそも、鍋のシメとはどのようなものが相応しいのだろうか?
混同してはいけないのは、お酒を飲んだ後のシメとは異なる点だ。お酒を飲んだ後のシメであれば、それこそ一般的な「ラーメン」、「うどん」などが相応しい(アルコールの分解を早める栄養素が含まれる等が理由だが詳細は割愛)。しかし、鍋の場合は必ずしもお酒を飲むわけではない。よって、別物として考えなければならない。

上記を踏まえ、鍋のシメとは何か?を考えてみたい。
鍋の最大の特徴は、ダシ汁が残っている、という点だ。つまり、鍋のシメとは、残りのダシ汁を活用する、ということと同義になるのではないだろうか。味覚の観点から言い換えると、鍋のシメ=うま味の活用なのだ。さらに言えば、ダシ汁(うま味)を活用できるものであれば、なんでも鍋のシメとして相応しいと言えるだろう。前述のプリンはまさにダシ汁(うま味)を活用している好事例だ。

この考えに沿えば、ほかにもいろいろなものが鍋のシメとして考えられる。
例えば、卵焼き。これを残りのダシ汁に入れて作れば、だし巻き卵となる。同様に、たこ焼きを入れると明石焼き風になる。

さらに言うと、鍋の残り汁をすぐに使わなくてもよいのだ。後で天つゆとして活用したり、あるいは納豆のタレとして、カレーの隠し味として使ってもよい。
このような活用の方法も、一種の「鍋のシメ」と言えるのではないだろうか。

鍋のシメ。こんな食卓の一コマにも固定観念を破る画期的なアイデアはあり得ると番組は気付かせてくれた。低迷を打破すべく、力の入った企画が並ぶ今週の『バイキング』。もともとは「笑いも情報もトリホーダイ」の意味を込めて命名されたそうだが、なるほどこの日の料理特集は、プロがみても脱帽の貴重な情報が満載だった。

(一般社団法人日本味覚協会 代表 水野考貴)

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