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加藤茶「大した弾き手じゃないんだから」/ドリフの「毒」を見た…『志村けんのだいじょうぶだぁスペシャル』

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加藤茶「大した弾き手じゃないんだから」/ドリフの「毒」を見た…『志村けんのだいじょうぶだぁスペシャル』

『志村けんのだいじょうぶだぁスペシャル』/2017年3月15日放送・フジテレビ系

現代テレビバラエティ史に残る衝撃映像のひとつと言えば、2014年の『鶴瓶の家族に乾杯』で加藤茶が出演した回だろう。ロケ先に現れた加藤は、体調不良とはいえ明らかに生気がない。ろれつが回らず、はっきりと言葉を発することすらできず、共演する笑福亭鶴瓶も心配していた。日本中の視聴者がこのときほど心から「だめだこりゃ」と思ったことはない。

ところがその後、人々の心配をよそに加藤茶は順調に快復していった。番組出演時に調子が悪かったのは、当時飲んでいた薬が合わなかったためだとのちに弁明。少しずつ元気を取り戻していった。そして3月15日(水)放送の『志村けんのだいじょうぶだぁスペシャル』(フジテレビ)ではついにコントを披露することになった。

この日は、亡くなったいかりや長介を除く「ザ・ドリフターズ」のメンバー全員が集結した。まずはトークコーナー。4人で集まるのは久しぶりだと語り、いつ以来だろうという話になって、仲本工事が「長さんの棺桶かついだとき以来だ」と話す。いや、事実なんだろうけど、事実がすでに歴史の1ページとなっている恐ろしさ。

昔のドリフのコントでは、いかりやが教師や母親などの絶対的な権力者として振る舞い、ほかのメンバーが彼に逆らって暴れ回るというのがお決まりの形になっていた。その関係性は普段から同じだったというのは有名な話だ。いかりやがリーダーシップを発揮してネタ作りなどのすべてを取り仕切っていて、ほかのメンバーはそれに不満を持っていた。

志村けんがとんでも話を切り出す。いかりやが亡くなったとき、高木ブーが「俺、初めて長さんに勝ったよ」と喜んだというのだ。高木もそれを否定しない。いかりやは負けず嫌いで、ゴルフでも射撃でも、高木に一度でも負けるとそれが悔しくて二度とやらなくなったのだという。だから、いかりやを先に看取ったのは高木にとっては貴重な初めての勝利だったというわけだ。なんという話だろう。エピソードトークのクセがすごい。でも、これがドリフだ。

コントでも加藤は生き生きとしていた。往年の歌舞伎芸、くしゃみ芸は健在。加藤がボケ、志村がツッコミを担当するドラマ撮影のコントでは、段取りを間違えた加藤が「久しぶりなもんですから」と笑った。加藤が患者、志村が医者を演じるコントでは、加藤がくしゃみと一緒にナースのスカートを引きずり下ろしていた。もはや「志村けんのコント番組」という聖域以外では見られなくなった堂々たるセクハラギャグである。一方、寝台車のコントでは、おばあさん役の志村がボケで、加藤がツッコミに回っていた。ツッコミの言葉にもキレがあって、『鶴瓶の家族に乾杯』のときのような不安定さは微塵もない。

最後のトークコーナーでも、メンバーのいかりやに対する不平不満が止まらない。楽器の練習中にいかりやが加藤に指示を出したところ、「(じゃあ、お前が)やってみろよ」と加藤がつぶやいたそうだ。加藤曰く、いかりやは他人に厳しく言うばかりで、自分では何もしない。そして、最後に加藤はこう言い放った。

「ベースだって大した弾き手じゃないんだから」

この一言で番組は締めくくられた。最初から最後まで罵倒一色。うーん、面白い。考えてみると、ドリフはずっとコントに力点を置いていたので、こうやってメンバーが揃ってじっくりトークするのを見る機会はなかった。平均年齢70歳超の彼らの口から飛び出したのは、ひたすらリーダーのいかりやに対する不平不満だけ。いかりやがコントの中で「権力者」だったのは、今で言うところの「キャラ」ではない。それは、正真正銘の本物。ドリフメンバーという悪ガキたちを統率するためには、彼は絶対的な権力者として振る舞うしかなかったのだろう。

ドリフのコントはあまりにも熱狂的に支持されたために、後世の評価が追いついていない部分がある。彼らは決して万人に好かれるような健全なコントをやっていたわけではなかった。むしろ、まともな大人だったら眉をしかめるような過激な下ネタ、暴力ネタ、差別ネタもたくさん盛り込まれていた。

今回の特番でそういったドリフの「毒」の部分がたくさん見られたのは何よりだ。死んだ人のことを悪く言ってはいけない、などという生ぬるい常識はドリフには通用しない。笑いながら仲間を罵倒して見送るのが彼らの流儀なのだ。

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提供元:テレビPABLO

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